今日9月2日は
80年前に日本が降伏文書に署名した日
今から80年前の1945年9月2日は、日本が東京湾の戦艦ミズーリ号上で降伏文書に署名した日だ。日本軍に侵略され植民地化されたアジアの国々にとっては、抗日戦争勝利、反ファシズム戦争勝利の記念日だ。

写真は重光葵(しげみつ・まもる)外務大臣が署名している場面、このあと大本営を代表して梅津美治郎(うめづ よしじろう)が署名した(梅津は極東裁判で無期判決)。
次に連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーが署名し、連合国軍の各国代表、アメリカ、イギリス、ソ連、中華民国、オーストラリア、カナダ、フランス、オランダ、ニュージーランドの代表が署名した。
それから80年の歳月が過ぎ、明日9月3日、中国北京で「中国人民抗日戦争及び世界反ファシズム戦争勝利80周年」記念式典が開かれる。この式典には26カ国の首脳が参加する予定という。この参加国をみると、80年前に降伏文書に署名した国はほとんど参加しない。それに代わって、日本を含む欧米列強から独立を勝ち取った国々が参加する。
これらの国々が経済的にもすでにかつて「先進国」と言われていた国々を追い越そうとしている。人類の明るい未来は、この式典に参加する国々の方にあると思う。
元首級が参加する国はロシア、朝鮮民主主義人民共和国、モンゴルのほか、カンボジア、ベトナム、ラオス、インドネシア、マレーシア、パキスタン、ネパール、モルディブなどの東南アジア、南アジアの国々、そして旧ソ連を構成していたカザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、キルギス、トルクメニスタン、ベラルーシ、アゼルバイジャン、アルメニアなどの中央アジアの国々、イラン、コンゴ共和国、ジンバブエ、セルビア、スロバキア、キューバ、ミャンマーだ。(インドネシアは国内事情で不参加になった)
日本からは鳩山由紀夫元首相が招待されているという。

10年前の70周年の時は村山富市元首相(現在101才)が参加のため訪中したが体調がすぐれず入院して参加できなかった。村山氏は戦後50年にあたる1995年8月15日、いわゆる「村山談話」を発表し、日本は過去に侵略と植民地支配を行い、アジア諸国に苦痛を与えたことを認め、痛切な反省と心からの謝罪を表明し、平和国家として国際協調に努める決意を示した。歴代首相の中では最も明確に加害責任を認め、反省と謝罪を述べた点で国際的にも評価は高い。
日本政府は各国に「参加しないよう」呼びかけ
ところで、この中国北京で行われる式典の一方の当事者は当然、日本だ。日本の総理大臣が参加し、誠心誠意、過去の侵略と植民地支配に対する反省と謝罪の気持ちを表すべきだ。
この件に関連して、福井県立大学名誉教授で中国社会科学院教授の凌星光(りょうせいこう)氏は、石破総理に式典への参加を促す公開状を送っています。この公開状は「日中友好ひろば」内のの”日中友好”の中の「石破茂総理への公開状」で読むことができます。
ところが日本政府は参加しないだけでなく、外交ルートを通じて、欧州やアジア各国にも「参加を自粛するよう」呼びかけていた。外交筋によると、「中国の記念行事は過去の歴史に過度に焦点を当てており、反日的な色彩が濃いと各国に説明。首脳らの参加は慎重に判断すべきだと伝えた。」という。(共同通信8月24日)。
中国で1000万人、アジア全体では2000万人以上の市民を殺害しておきながら「歴史に過度に焦点を当てており、反日的な色彩が濃い」という物言いは、加害責任を反省していないだけでなく、過去の歴史を消し去ろうとする意図さえ見える。
最近、きわめて意図的に「中国脅威論」が吹聴されていますが、戦後80年間、最もたくさん戦争をやってきたのはアメリカです。朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク侵略、アフガニスタン侵略、イスラエルの虐殺支援等々、そして多くの侵略戦争で日本の米軍基地は出撃拠点でした。それにくらべ中国は一度も他国を侵略したことがありません。世界から見たとき、戦争の最大の脅威はアメリカであり、中東ではイスラエル、アジアでは日本です。日本の報道は「(南中国海で)海洋進出を強める中国」とくり返し言っていますが、南中国海は歴史的に見ても国際海洋法から見ても、明確に中国の領海です。(この件についてはHP「日中友好ひろば」(検索)・「国際政治」欄、「戦争の危険はどこから来るのか?」を参照ください。)
自分の玄関先を警備する中国が海洋進出しているのか?地球の裏側からわざわざ空母を派遣しているアメリカが海洋覇権国なのか?
答えは明快です。(山橋)