期待高まる!中国の平和外交

期待高まる!中国の平和外交                      (働き人のいいぶん2026年2月17日号より)

 2月13日から15日までドイツのミュンヘンで「ミュンヘン安全保障会議 2026」が開かれました。この会議は民間主催で、国家元首や閣僚、国際機関の代表、専門家などが個別に招待される形式です。約60カ国から参加しました。

 この会議でアメリカのルビオ国務長官は、「欧州は自らを守る能力を持つべきだ」と発言し、欧州がさらに防衛負担を増やすことを求めました。一方でルビオ長官は、会議の合間に予定されていた「ウクライナ問題に関する会合」をドタキャンしました。「スケジュールの都合」という理由でしたが、参加を予定していたドイツやポーランド、欧州委員会の関係者からは怒りの声が沸き上がったということです。

 一方、中国の王(おう)毅(き)外相は会合で次のように発言しました。
「中国は和平のために建設的役割を果たす」
「戦争の長期化は誰の利益にもならない」
「中国はウクライナに人道支援を続ける」
「政治的解決(和平交渉)こそ唯一の出口」
「中国はどちらの側にもつかない(中立を維持する)」

 

 また、王(おう)毅(き)外相はウクライナのアンドリー・シビハ外相と個別会談を行いました(写真)。そこで王(おう)毅(き)外相はウクライナに対する「人道支援」と「政治解決支援」を約束しました。一方シビハ外相は、ゼレンスキー大統領が習近平国家主席との会談を目指していることを伝えました。

 実はこの時、アメリカのルビオ国務大臣を含め、ほとんどの欧州の外相たちが王毅外相と会談しているのです。また欧州の首脳は今年に入って続々と北京を訪問し、中国との連携強化をはかっています。アメリカのトランプ大統領も4月に北京を訪問する予定です。中国はウクライナ戦争についてどちらにも肩入れせず、国際法を順守する立場を堅持しています。日本を含む欧米では、中国はロシアの味方をしているように報道されていますが、ロシアがウクライナの東部を占領していることについては承認していません。双方と適切な距離感を保っている中国の存在は、ここに来て、平和への扉を切り開いてくれそうな国としての存在感を高めています。高市首相はこの中国に対して「武力攻撃するぞ」と脅迫しているのです。勇ましいのは結構なことですが、世界から完全に孤立するでしょう。(山橋)