日本人が知らない南沙諸島の領有権問題
最近も中国とフイリピンの船が南中国海で衝突したが、日本の報道は南中国海で何か衝突が起きると、中国を悪者あつかいする。しかしほとんどの日本人が知らないことがある。
南中国海の南西部に、台湾が軍事基地を置く「太平島」が存在するということについて、ほとんどの日本人は知らない。次の地図を見てほしい。台湾の「太平島」は、フイリピンの南西、南沙諸島の中心に位置し、南沙諸島の中で最も大きく、唯一淡水が湧く島だ。 台湾の軍が駐留しており、島の真ん中に滑走路がある。

これについて、日本もアメリカも、台湾が不当に太平島を占有していると言ったことは一度も無い。認めているのだ。ところで、日本もアメリカも、中華人民共和国と国交を回復したとき、台湾は中国の領土の不可分の一部であると認めている。だとすれば、日本もアメリカも当然、「太平島」は中国の領土の一部であると認めているのである。中国がその周辺の領有権を主張することについて、日本やアメリカがイチャモンをつける権利は、国際法上、まったく存在しないということだ。日本の「中国脅威論」はそもそも自己矛盾している。このことについて日本のメディアは報道しない。
(山橋宏和)