日本のマスコミがほとんど報じない「ニュース」№11

 韓国での「戒厳令騒ぎ」には実に驚きました。これほどお粗末な人間が一国の大統領になれるとは?!尹大統領がもとより政治経験が皆無であることは周知の事実でしたが、ほとんど“個人的利害”から、「国家」の命運を蔑ろにするとは・・・。アメリカの傀儡となって国を荒廃させながら、今だ“英雄”を演じ続けるウクライナのゼレンスキーに匹敵するでしょう。

 とは言え、昨今の日本の選挙や欧米各国の選挙と似たり寄ったりか?! いわゆる「普通選挙=民主的」と“イワシの頭も信心から”と信奉する人々はいったいこの事態をどう見ているのでしょうか?!実に不思議です。

 ただ、“お笑い”ですまないのが台湾です。韓国で戒厳令発布直後、台湾の民進党・立法院議員団はいち早くこの事態を肯定的に報じながら、その後、アメリカがこのことを支持していないことを知るや、すぐにこれらのコメントをすべて削除しました。

 かつて日本の植民地でありながら、共に「親日」「対日協力者」を源流として、共に底なしの「親日媚米」ぶりは無論、40%の得票率で辛うじて当選した賴清徳総統と、野党候補と1%にも満たない票差で当選した尹大統領、議会では少数与党・・・、よく似た境遇です。おまけに、戒厳令を発布する理由とした、対立する野党や民衆を「北朝鮮の手先」や「中国の同調者」として攻撃し、果てはお決まりの「民主?と自由?」を守るために闘う・・・ウンヌン。尹大統領の「戒厳令発布」理由と、台湾民進党の世論操作手法そっくりそのままです。民進党にとって、今回の「戒厳令の発布」は実に魅力的に映ったことでしょう。

 さて、こうした茶番劇と“異次元”とさえ言える、いつもの「日本のマスコミがほとんど報じないニュース№11」をお送りします。ご一読願えれば幸いです。
                                   墨面 拝



日本のマスコミがほとんど報じない「ニュース」№11

今回は二つの話題を提供します。

一つ目は、世界で2 番目に大きい流動性砂漠である新疆のタクラマカン砂漠の拡大を防ぐための外周「防砂・緑化工事」が完成しました。砂漠の全周を緑化帯で囲い込むという、とてつもなく壮大な工程です。その距離はなんと3000 キロメートル(*東京~大阪間の約8倍)に及びます。40 年を費やしていた工事が完成したのです。かつて、これらの砂漠から吹きつける黄砂が中国の沿岸部はおろか、遠く日本にまで達していました。黄砂の時期になると北京でも太陽が見えない程の被害をもたらしていました。日本のマスコミでも散々“悪意”の報道がされたことをまだ記憶している方も多いでしょう。しかし、最近はこの緑化事業のお陰で、北京にも青空が広がっています。

あまり知られていませんが、中国の「防砂・緑化」技術は世界でもトップクラスにあります。砂漠の拡大
に悩む中東やアフリカ各地から、多くの技術者が中国の経験を学びにやって来ています。そればかりか、これまで実現不可能とされてきた砂漠地帯を貫通する鉄道網や高速道路網を次々完成させています。中国よりずっと“お金持ち”であるアメリカなどでも絶対にマネのできない偉業と言えます。当然のことですが、資本(企業)にとって、投資した金額に対し、十数年や数十年経っても元が取れない事業は投資の対象にはなりません。ましてや近年“劣化”が著しい「政治屋」に至っては、任期中に結果が出ない事業や、「票」に結びつかない事業を行うことはありません。砂漠の緑化や人口の希薄地帯での高速鉄道(新幹線)、高速道路への投資はその典型と言えます。高速鉄道が一つもなく、老朽化した橋梁が度々崩落しようと、前近代的で“先進国”のものとは到底思えないニューヨーク「地下鉄」の惨状などを例に挙げるまでもなく、それは一目瞭然と言えるでしょう。「都市GDP」が上海の3 倍もあるニューヨークです。お金はいったいどこに使われているのでしょう?中国の成果を前に、腹いせに「完成した高速道路に車が数台しか走っていない・・・」などと揶揄する所以でしょう。

中国における「治国」の第一義は「民生」です、欧米諸国をはじめとする、「資本」に牛耳られ、「資本」
に奉仕するものとは根本的に異なります。中国が制定する経済計画は数十年、時には百年を見据えます。「豊かになりたければ先ず道路を作れ」という諺(ことわざ)の如く、こうした公共(インフラ)事業は将来にわたって「地域格差」の解消や、「扶貧=貧困の消滅」に導き、14 億の人口を有する国で、基本的に国連基準による「絶対的貧困」を解消するという前人未踏の成果を上げたのも、こうした長期的視野に立った公共事業が、更なる発展と「民生充実」の礎となったものです。

常套句の如く中国の「軍事拡張」や「軍事的脅威」を高唱するアメリカや欧米(+ポチ)のマスコミはこ
うした中国の「治国思想」を決して理解することができません。本「ニュース№ 9」でもご紹介したように、欧米覇権による脅威に晒されながら、中国の軍事予算はアメリカの1/3、対GDP 比で僅か1.6 %です。因みに、14 億の人口、広大な国土、世界最長の国境線等などを考慮すれば、これが如何に“控えめな”数字かが理解できるでしょう。「卑小な尺度で、大志を推し量る」愚もそろそろ止め時ではないでしょうか。


もう一つの話題は、南太平洋島嶼国サモア総理の中国公式訪問です(11/20 ~ 28 日)。11/26 には習近平主席と会見しています。無論、この訪中が国際情勢に大きく影響するものではありません。しかし、このことは中国の外交姿勢を知る上で象徴的と言えます。サモアは他の南太平洋島嶼国と同じく、かつては米・英・独に植民地にされていました。人口は僅か22万人強、面積も2934 平方キロメートルに過ぎない小国です(北京の1/5)。2020 年のGDP に至っても僅か8.3億ドルです。加えて、サモアは南太平洋島嶼国の中で、最初に「一帯一路」に加わった国ですが、現総理就任後は、アメリカの圧力の下で「反中国」政策に方向転換したと言われています。そのような小国に対しも、中国は国家元首として最高位の礼遇で接しています。サモアが例外ではなく、今年に入って、このサモアよりさらに小国に過ぎない南太平洋の島嶼国6 カ国の元首が中国を公式訪問していますが、すべて最高格式の礼遇を行っています。

そこに反映するのは、国の大小に関わらず、「一視同仁」、「一律平等」を宗とする外交姿勢です。その格式は、アメリカやヨーロッパの“大国”元首を接待する時の格式とまったくの同格です。アフリカ諸国や中南米諸国に対しても同様です。アメリカ大統領が各国との日程調整さえしないまま、ASEAN 各国や南米各国の首脳を呼びつけ、「サミット(首脳会談)?」を開催するアメリカと鮮明な対比をなしています。会談や各種行事に際しても、各国首脳を“わざと”待たせた挙げ句、決まって遅れて登場するという小賢しいパフォーマンスを演じることを忘れません。

「一帯一路」や「上海協力機構」など、主要な経済的、人的役割を果たしながらも、一切の特権を求める
こともなく、一律平等の原則を堅持し続ける中国の外交姿勢は、公然と「アメリカファースト」を唱え、アメリカだけの特権を求め、それが通らなければ「脱退」するというアメリカの傲慢さと対を成すものです。因みに、これまでにアメリカがこうして「脱退」した機構には、「国連人権理事会」、「イラン核合意」、「パリ協定」、「環太平洋経済連携協定(Tpp)」、「中距離核戦力全廃条約(Inf)」、「WHO(世界保健機関)」、「ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)」等があります。アメリカ等の西側が中国に対し、「国際規範の遵守」ウンヌンとは、よくも言えたものです。

国際関係も突き詰めれば個人同士の関係と同じです。国も大小に関わらず、互いの尊厳を認め合うことが基本です。近年、中国とアジア、アフリカ、ラテンアメリカなど、いわゆる第三世界の国々との良好な関係は、正にこうした外交姿勢の賜(たまもの)と言えるでしょう。
2024/12/10 墨面記