今年最後の「ニュース」をお送りします。いつもは“固い”内容が多いので、今回は“国際的な”お笑いニュースを2つご紹介します。
1、韓国の尹(元?)大統領が弾劾成立2 日前の12 月12 日、国民に向けて(?)の演説で、「もし弾劾が通ったら、中国の「太陽光パネル」が韓国の森林を破壊することになる」と真顔で語っています。その後も、「弾劾」が「中国共産党」が背後で仕掛けた罠であると語っているようです。「弾劾」と「太陽光パネル」や「韓国の森林」と、何の関係があるのでしょうか?中国が勝手にパネルを韓国に持ち込み、勝手に韓国の森林を伐採して設置するとでも言うのでしょうか?頭の中を覗いてみたいものです。さすがに韓国のマスコミでさえ、「精神錯乱」に陥っていると言わざる得ないほどです。
ではなぜいつもの「共和国(北朝鮮)」ではなく「中国」なのでしょうか?答えは、これらの発言が実は「国民向け」ではなく、「アメリカ向け」だからです。「これ程までの“アメリカの忠犬”を見捨てないで!」
と言いたかったのでしょう。
ところで、このとんでもない「戒厳令発布」に対し、台湾の民進党・立法院議員団がいち早く肯定的なコメントを発表しました。世界中で“唯一”でしょう。このことを台湾の在野のマスコミや、韓国のマスコミもこぞって報道しています。日本でも唯一「読売」だけが報道したそうですが、私は未だ確認していません。無論、アメリカが支持していないことを知った途端、民進党はこの発表をすべて削除しています。
話しは変わって・・・、今月に入って、大勢の大陸(中国)の大学生が台湾を訪れています。台湾の元総統である馬英九氏が主宰する「両岸青年交流」の一環です。その中にパリオリンピックで卓球の金メダルを取った男子と、(無論たまたまですが)とびっきり「美形」の女学生がおり、台湾の若者を中心に、訪問した先々でまるで“アイドル”かのように歓迎されていました。これに慌てた民進党はすかさず、「この二人は共産党員で、『統戦(*中国による統一情報戦?)」だ!』と言うキャンペーンをはじめました。そればかりか、台湾民衆の「探親(*)」も、この「統戦」に利用されていると攻撃しはじめています。
この「探親」は、台湾の「原住民」を除き、かつて大陸の広東省や福建省などから渡ってきた「台湾人」のルーツを確認する、いわば「里帰り」のようなもので、祖先の地や「宗廟(*祖先を祭る廟)」を訪れる極めて一般的な行事で、民進党の人々でさえ、これまで普通に行ってきたことです。ところが、「両岸の分断(台湾と中国は違う)」と言いたい現民進党にとって、この「探親」は“不都合”と映ったようで、攻撃しはじめたものです。
「両岸」の対立を煽り、中国に対する客観的評価や、両岸の交流と友好をすべて中国による「統戦」と攻撃する姿は、韓国の尹政権と瓜二つです。
2、次はアメリカです。以下、少々信じ難いことですが、紛れもない事実です。
参議院議員(中国語で上院議員の意味:注釈伊関)のスコット(音訳)議員がアメリカ商務長官・レイモンドに手紙を出し、「中国の大蒜がアメリカの国家安全を脅かしているので、『301
条項』調査を発動すべし」と訴えたのです。あの「大蒜(にんにく)」です!
理由は:中国は人や動物の糞便を使って大蒜を作ってる。糞便は汚い、だからそれで作った大蒜は汚い。食品の安全に“極めて重大な脅威(*原語訳です!)”となるばかりか、アメリカ兵がこれを食べると戦闘力を低下させ、国家安全の脅威となる・・・ウンヌン。
もう一度言いますが、これは私の“作り話”ではありません。
記者からこのことを問われ、さすがに、いつもは格調高い中国外交部の報道官も、“まさか、大蒜まで攻撃の対象にされるとは・・・”と笑いを堪えながらの一コマでした。
今さら言うまでもなく、人類は数千年前から動物の糞便を農業に利用し、近年の「化学肥料」よりはるかに優良な肥料です。小学生レベルの常識でしょう。「有機食品」が他の同じ作物の数倍の価格で売られているのも当然と言えば当然です。
さて、問題は、アメリカの人口3.3 億人の中で、参議院議員(上院議員)の数は100 人です。エリート中のエリートと言えるでしょう。そればかりか、彼は参議院(上院)の最大政党のリーダーと目され、アメリカの未来を導くかも知れない有望?な議員だということも付け加えておきましょう。
もちろん、韓国の尹大統領と同じく、彼もまた「民主?的選挙」で選ばれた一人です。
ここまで書いて、ふと、日本ではこの「笑い話し」は通じないかも?!と気づきました。
「極端な例を挙げて“普通選挙”や“民主主義”を愚弄している」とお叱りを受けそうですが、果たしてそうでしょうか?日本でも、何ら政治経験もない「アイドル」や「タレント」はまだしも、「マイノリティ」
や社会的弱者を攻撃し、「排外主義」を煽るだけの輩が次々と「当選」する選挙を目にすると、惨憺たる思いに駆られます。政治家が中国と接触しただけで「親中派」と見なされ、攻撃される風潮は、先の韓国や台湾以上かも知れません。
思い起こせば、かつて中国のボロボロの漁船が、図体も、スピードも何倍も勝る日本の巡視艇に突っ込む?
とされた「尖閣」での漁船追突事件や、アメリカでの、「国家の安全に脅威」と大宣伝した挙げ句に、僅か数万円程度の小さな気球を、約4 千万円をかけて“撃墜”する(*気球事件)・・・、ついでに言うと、「中国による領空侵犯」を大々的に煽る為に、その後も3
つの気球を撃墜していますが、一つが身元不確定の気球であった以外、一つはアメリカのある「気球愛好倶楽部」が趣味で上げた気球、もう一つはアメリカの気象庁の「気象観測気球」だったそうです。
世の中、こうした“笑い話”には事欠かないようです。
*因みに、その後、この「気球事件」でアメリカ国防省がこの「気球」を調べた?結果、「安全保障上の脅威は一切無かった」と“当然の”結論を出しています。日本ではまったく報じられていないようですが・
・・。
2024/12/20 墨面記