「しんかい6500」退役で明らかになった日本の衰退と、際立つ中国の平和主義!

 深海の探査を30年以上にわたって行ってきた「しんかい6500」だが、老朽化で退役の時期が迫っている。しかし日本ではすでに技術が途絶えてしまって、もう有人の深海探査機を作ることはできないという。

 なぜ、技術が途絶えてしまったのか。研究者達はかねてから1万2千メートルまで潜れる「深海12000」の研究開発費を政府に要望してきたが、政府は一切予算をつけなかったからだ。(軍事費にばかり回して)

 今、南海トラフの巨大地震が迫っているが、この地震予知には、深海探査船による海底の地形調査は非常に重要だ。 フイリピン海プレートがユーラシアプレートの下に潜り込んでいる溝状(みぞじょう)の地形を「南海トラフ」というが、この二つのプレートが接する面が地震の震源域になる。 この辺りは深さ1万メートルで、ここまで潜れる探査機があれば、地形の変化を直接観察できるわけで、地震予知にも大きく貢献する。

 現在、この深さまで潜れる探査船を持っているのは中国とアメリカだが、中国の「奮闘者」という探査船は本格的な調査機能をもっており、実際に世界中の海溝で調査を行っている。

 中国はこの探査船を使った共同研究を広く世界に呼び掛けており、インドネシアやニュージーランドとは実際にその国の周縁の海溝調査を行っている。中国は決して先進技術を獲得したからと言ってそれで他国を脅しつけたりしていない。むしろその技術を世界全体が豊かで安全平和になる方向で開放している

インドネシアの研究者との共同研究

ニュージーランドの研究者との共同研究