孫文「大アジア主義」演説100周年記念シンポジウム③

孫文「大アジア主義」演説100周年記念シンポ続報①
 “孫文「大アジア主義」演説”を熱く語る登壇者の皆さん

孫文「大アジア主義」演説100周年記念シンポジウム(11/28・神戸)の詳細が、人民中国ネット版(12/1)に掲載されました。下記URLをクリックしてご覧下さい。

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以下、人民中国ネット版(12/1)より、シンポジウム登壇者の皆様のご紹介を転載します。(伊関)

小坂文乃氏
小坂氏は曾祖父の梅屋庄吉と孫文の30年にわたる友情について発表。梅屋庄吉が孫文の革命を全力で支援し、孫文逝去後に巨額を投じて孫文の銅像4体を造って中国に贈ったという感動的なエピソードとともに、「孫文と梅屋庄吉の友情は、100 年の時を超えても日本と中国を結ぶ懸け橋となっている」と述べた。

石田隆至氏
石田氏は孫文が「大アジア主義」演説を発表した歴史的背景を分析し、五四運動が孫文の思想的転機になったと見解を述べた。また、ロシア革命や中国共産党との交流が帝国主義批判の思想を孫文にもたらし、日本の侵略性や中国民衆の政治力を認識させたとも指摘。さらに、孫文演説は脱植民地主義思潮の先駆けとして、平和と協力に基づく国際秩序を構築しようとした構想力を示唆していると語った。

森広泰平氏
森広氏は孫文が提唱した「大アジア主義」について「欧米列強による植民地支配に反対し、アジアの団結と連帯を主張するものであり、宮崎滔天、梅屋庄吉、山田良政・純三郎兄弟など日本の盟友たちの支持を得ていた」と指摘。今の日本が進むべき道は、アジア各国との平和外交を協調し、共存共栄の経済協力関係を構築することこそが「東方王道」であると述べた。

林伯耀氏
林氏は、百年前に孫文が日本に投げかけた疑念は現在に通ずると指摘。「大アジア主義」は仁義道徳を基礎とし、アジア諸民族の団結を願い、西洋の覇道に対抗せよと主張している。中日両国間の平和と友好を支える力をさらに維持・強化し、過ちを繰り返さないよう努めるべきと述べた。

郭洋春氏
郭氏は「大アジア主義」について、「今日においても、依然旺盛な生命力を持ち、現代の日本に多くの示唆を与える」と述べ、今こそ日本が「大アジア主義」の精神を実践し、対米重視外交から脱却し、アジアの一員としてバランスの取れた外交を実現するための好機だと指摘した。

川村範行氏
郭氏と同様、川村氏も「日本は『アジアへの回帰』を果たし、米国追随外交からアジアに立脚した自主外交へと転換すべき」と述べた。百年に一度の大変動の中、西洋の普遍的価値観が限界を見せ、世界は新たな思想や価値観求めていると指摘した。さらに、日中両国は「人類運命共同体」の理念のもと、さらなる連携を進めることが求められていると強調した。

田代秀敏氏
田代氏は「中国は多くのアジア諸国にとって最大の貿易相手国であり、トランプ政権が再び中国経済の封鎖や制裁を試みれば、アジア全体に負の影響を与えるだろう。と同時に、トランプ政権による中国やアジアへの恣意的な行動は、米国をさらに財政破綻へと追いやるだけだ。予期される危機に備えるため、アジアは運命共同体を築き、「アジアの世紀」の早期到来を目指さなければならない」と分析した。

富坂聰氏
富坂氏は人類運命共同体について、「ひとつの利害を共有する構成者として世界を捉え、排除ではなく協力を推進するためのスローガンだ」と持論を展開。中国の人類運命共同体構築を推進する取り組みは一貫しており、その具体的な青写真は「一帯一路」構想だと述べた。

木村知義氏
「アジア運命共同体」というカテゴリーについて木村氏は、人類運命共同体の一構成部分として位置づけられると定義。「アジア運命共同体は、『大アジア主義』の問いを受け継ぎ発展させられる存在だ。ここには真の多国間主義と開放的地域主義があり、協力をもってウィンウィンの関係を築き、未来を目指す夢がある。日本にとっては対米・対中関係における『非対称性』の解決こそが歴史的課題だ」と提起した。

呉文欽氏
シンポジウムの総括のために登壇した中国外文局アジア太平洋広報センター東京支局長の呉文欽氏は、反ファシズム戦争勝利80周年を目前にする今、中日韓三カ国、さらにアジア全体が和解と協力をより一層強調できる格好のチャンスだと強調。アジアの人々が求めるのは「アジア版NATO」のようなではなく、信頼、互恵、平等、協力に基しく「アジア運命共同体」であり、共に成長し利益を分かち合う「人類運命共同体」だと述べた。